インプラント手術後のお家でのお手入れ/適切なメンテナンス方法について

インプラント治療後は何かと不安があるかと思います。
歯は磨いて大丈夫?
マウスウォッシュは?
血が滲んだら?
定期検診って必要?

実際手術を行った場合、医師から適切なメンテナンス方法を教えられるはずですが、今回は基本的なお手入れ方法や、メンテナンス時に気をつけて見るポイントなどをご紹介します。軽度の不調なども見逃さず、かかりつけの歯科医院にて診てもらいましょう。

インプラントのメンテナンス

【手術後1〜3日のお手入れ方法】

インプラントを埋めた箇所で注意することがあります。
まず、違和感は数日はなくなりません、その際に指や舌の先で傷口を触らないように気をつけましょう。
傷口は血餅(けっぺい)と呼ばれる瘡蓋のような血液の塊で覆われています。
これには止血の役割もあり、指や歯ブラシ、フロスなどで刺激してしまうと血餅が剥がれ治癒が遅くなる可能性があります。
強い刺激をさけ、数日間はあまり触れないように注意しましょう。
ブラシをするときは傷口を縫っている糸に汚れが溜まらないようにすることが大切です。

【通常のご家庭でのお手入れ方法】

うがい薬やデンタルリンス、歯磨き粉は種類によっては使用を制限する歯科医院もあります。
医師や歯科衛生士の指示に従って口内環境を適切にメンテナンスを行いましょう。
手術を行っていない箇所についてはいつも通り丁寧に歯ブラシとフロスを使い歯間も清潔に保ちます。

歯磨き粉を利用する場合、塩粒や粒子の大きいものが入っていると血餅や歯茎を傷つけてしまったり、歯と歯茎の間に挟まり炎症を起こしてしまう場合がありますので注意が必要です、歯磨き粉は完全なペースト状のもの、歯ブラシも軟毛の歯ブラシを利用するのがよいでしょう。
手術直後の場合は軟毛ブラシの利用方法は医師の指示に従いましょう。

オールオンフォー、オールオンシックスなどのインプラント治療をされた方は、歯茎に人工歯が接触しているだけの箇所ができます。
その歯茎と上部構造の間に汚れが貯まりやすくなり、インプラント周囲炎などの症状になりかねないため、「スーパーフロス」を利用するのが良いとされています。

インプラントと歯茎の隙間

昨今では手動の歯ブラシよりも、電動歯ブラシの性能が良いため、インプラント治療を行った方は特にインプラント周囲炎にならないためにも電動歯ブラシの方が歯垢をしっかりと除去することが可能です。

【おすすめのお手入れアイテム】

歯ブラシ
手術直後は柔らかい、専用の軟毛のブラシの使用がおすすめです。
歯茎を刺激しないよう、縫っている糸に食べかすが溜まらないように気をつけることが大切です。

電動歯ブラシ
手で磨くよりも、歯垢(プラーク)をしっかり落とすことが可能なため、インプラント治療を行った患者さまは検討してみても良いでしょう。
電動歯ブラシ

歯間ブラシ
歯磨きで歯垢(プラーク)が一番残りやすい箇所は歯間ですので、歯間ブラシが入るようであれば活用しましょう。
無理に歯間ブラシを使用すると歯茎を傷つけてしまうことがありますので気をつけましょう。

デンタルフロス
歯と歯の密着している隙間に残る汚れをしっかりと除去しますので、
電動歯ブラシなどを利用していてもフロスでのお掃除は大切です。

スーパーフロス
スーパーフロスはデンタルフロスよりも柔らかいスポンジ状のフロスです。
インプラントと歯茎の隙間やブリッジの隙間に使用される専用のフロスになりますので、オールオンフォーなどの隙間の多い治療を行った場合や、歯茎と被せ物の間に隙ができている場合はしっかりと活用しましょう。

舌ブラシ(舌みがき)
鏡で舌を見た時に白いものがたまっていることはありませんか?
舌に溜まる白い苔は「細菌のかたまり」です。
口内の剥がれた粘膜や食べかすなどが舌の表面に付着した白い苔状のものが「舌苔」です。口呼吸による乾燥や、栄養の偏りなど、人によって付着の仕方などはさまざまですが、口臭の原因にもなりますので舌苔が付着している場合は1日1回程度は舌ブラシで除去しましょう。
(※磨きすぎると舌の粘膜を傷つけてしまうため優しく適度におこないましょう。)

洗口液
液体状の殺菌液で口腔内全体の殺菌をします。
洗口液はすすぐだけで歯垢や口臭の原因菌を殺菌、洗い流してくれます。
歯磨き後の仕上げに使用すると効果をえられます。

他にも液体歯磨き、液体タイプの歯磨き剤があります。
チューブの歯磨き粉と同じ扱いのため、歯ブラシを使って歯を磨きましょう。
研磨剤を含まないため、歯を傷つけにくいものになります。

口腔洗浄器(ウォーターピック/ジェットウォッシャー)
口腔洗浄器は電動のジェット水流を使った水圧で歯垢や食べかすを弾き飛ばしてくれます。
ブリッジの隙間があったり、歯並びが悪く、歯間ブラシやフロスがうまく入らない場合でも有効です。
ワイヤー型の歯列矯正をされている方は特に歯磨きが難しくなるため、口腔洗浄器があると口内を清潔に保ちやすくなります。

口臭や歯周病の予防にも役立ちます。

【見逃してはいけないインプラントの不調のサイン】

インプラントを埋め込んだ箇所からの出血や膿み、歯茎の腫れ、インプラントのぐらつき、上部構造(被せ物)の欠損があった場合、ただちにかかりつけの歯科医院にて診察を受けましょう。
大したことではなかったとしても、安全に長期にわたり安定した口腔内の環境を維持するには大切なことです。

インプラントのネジの露呈が起きた場合、骨造成が不十分だった、インプラント周囲炎になってしまった。などの事象が考慮されますので、やはりかかりつけの歯科医院にて治療を行う必要があります。

インプラント手術後、短い期間での不調が起きた場合、他の歯科医院などでセカンドオピニオンで診てもらうことも視野にいれておくと、より安心して治療した歯をメンテナンスすることが可能となります。

不安に思う些細な症状を放置しないことが大切ですね。

【歯科医院での主なメンテナンス内容】

患者様と不調な箇所や気になっていることがないか、カウンセリングを行います。
必要な場合はレントゲン撮影を行い、インプラントの部位、通常の歯の健康状態を入念に確認します。特にレントゲンではご本人の自覚症状のない段階での歯茎の炎症や骨の負傷、インプラント周囲炎の進行状態を確認することが可能です。

さらに実際に口内のインプラント周囲炎、粘膜の状態を確認します。
さらに残存歯の虫歯、歯周病、噛み合わせ、歯石や歯垢の付着量や、きちんと清潔に保つことができているかなど、確認を行います。

歯科医院での定期的なメンテナンスは3ヶ月に1回が理想です。
(※持病にて歯茎が腫れやすい、歯周病になりやすい、などの不安要素がある場合は1ヶ月に1回のメンテナンスが必要な場合もあります)

インプラント治療を行って以降は特に歯周病などは大敵です、早期発見、早期治療を行うことで治療費用を抑えることも可能になるため、患者さまにとって一番コスパの良い方法になります。

長期にわたりメンテナンスに来られず、インプラント周囲炎になってからの治療は口内へのご負担も、保証外となりお財布へのご負担も大きくなる可能性がありますので、メンテナンスは定期的に行うことをおすすめいたします。

【最後に】

インプラント手術後は毎日のお手入れも大切ですが、定期的なメンテナンスがとても重要です。

日々のブラッシングに不安がある場合も歯科医師や歯科衛生士に聞くと丁寧に答えてくれますのでブラッシング指導なども積極的に受けると良いです。

電動歯ブラシや口内洗浄用のアイテムについても患者さまに合ったものを教えてくれますので、数ある歯磨き用品についても、何を使えばいいか迷いが生じたら気軽に聞いてご自身に合ったアイテムで口内の健康維持を保ちましょう。

神奈川県横浜市にある「長津田南口デンタルクリニック」では、患者さまの抱えるご不安やお悩みに真摯に向き合い、治療後のサポートも15年の保証を付けて生涯食事を自分の歯のように楽しめるようになるためのサポートを行っております。

インプラント治療を受けていただく際は治療方法やインプラント体の特徴をご理解いただき、患者様ご自身で納得のいく選択が可能となるようサポート致します。

インプラント治療についてのお悩み相談は、無料カウンセリングのご予約から承っております、遠方よりお越しの患者さまにはゲストハウスを開放しておりますのでお悩みの際はお気軽にお問い合わせください。

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