オールオン4,5,6

オールオン4・5・6(All-on-X)について

少ないインプラントで多くの歯を支える治療オールオンXとは、 4〜6本程度のインプラントで片顎すべての歯を支えるインプラント治療です。 歯がほとんど残っていない方や、総入れ歯にお悩みの方に対して行われる治療方法で、少ない本数のインプラントで安定した噛み心地を得ることができます。

このようなことでお悩みならまずはご相談ください。

  • 歯がほとんど残っていない
  • 総入れ歯が合わない
  • 入れ歯が外れたり、痛みがある
  • しっかり噛める歯を取り戻したい

最適な治療方法をご提案

当院はオールオンXを行いますが、"オールオン4"については実は消極的です。
本当に適合する場合にのみオールオン4を行うことはありますが、基本はオールオン5・6で長く安定する治療を最善に考えています。
というのも、オールオン4は少ないインプラントで多くの歯を支えることができる治療法のため、費用面を抑えられることがメリットとして挙げられますが、 実際は日本人の体質や症例によって適合しない場合も多々あるためです。

オールオン4の入れ歯模型を持つ様子

実際に当院には、他院でオールオン4の治療を受けた後の不調のご相談を受けることが多くあります。

  • 噛みにくい
  • 喋りにくい
  • 痛みや違和感が続く
  • 清掃が難しい
  • 噛むたびにインプラントに負担がかかっている

といったお悩みを抱えてご相談に来られる患者様も多くいらっしゃいます。

オールオン4は、4本のインプラントで歯全体を支える治療であるため、1本でもトラブルが起きると、全体、骨や噛み合わせのバランスに影響が出る可能性があります。

また、骨の状態や咬合力、顎の大きさなどを十分に考慮せずに治療が行われた場合、長期的な安定性や清掃のしやすさに問題が生じることもあります。 当院では、こうしたケースに対して現在の状態を詳しく診査し、インプラントの状態、噛み合わせ、骨の状態、補綴物の設計、などを総合的に評価したうえで、 必要に応じて治療の調整や再設計をご提案しています。

現在オールオン4をすでに受けられている方で不調がある場合も、状態によっては改善が可能です。

鏡で歯を確認し笑顔を見せる女性

オールオン4は優れた治療方法の一つですが、費用面に注目が集まりやすく、本来大切である医療的な視点が十分に考慮されない場合もあります。

当院では「可能な限りご自身の歯を残す」という考えを大切にしています。そのため、オールオン4が本当に患者様にとって適した治療なのかを慎重に判断し、メリットだけでなくデメリットについても丁寧にご説明いたします。

その結果として、患者様の状態によっては、あえてオールオン4以外の治療方法をご提案する場合もあります。 患者様お一人おひとりにとって、長期的に安定する治療を選択することを大切にしています。

All-on-4(オールオン4)の特徴と注意点

All-on-4は、少ない本数のインプラントで歯全体を支える治療法として、世界的に広く行われています。 一方で、治療を検討する際には「メリットだけでなく注意点」を理解することが大切です。

① インプラント本数が少ないことによるリスク

All-on-4は4本のインプラントで全体を支えます。
1本にトラブルが起きた場合、全体への影響が大きいため、長期的な安定性に不安が残ります。
本数を増やした設計(例:All-on-6)の方が、
力の分散がしやすく安定性が高まる
傾向があります。

All-on-4とAll-on-6のインプラント配置比較イメージ
カンチレバー構造のレントゲン写真

② 奥歯部分に負担がかかりやすい(カンチレバー)

構造上、奥歯側に延長した設計になることがあります。
ネジのゆるみ、被せ物の破損、周囲の骨や隣のインプラントへの負担増加、
特に、噛む力が強い方や歯ぎしりがある方は注意が必要です。

③ 骨の状態に影響されやすい

All-on-4は、主に前歯部に残っている骨を活用してインプラントを支える治療コンセプトです。
そのため、骨の量や質によって治療の適応や長期的な安定性が大きく左右されます。
骨量が十分にある場合には有効な選択肢となりますが、骨が大きく吸収しているケースでは、 インプラントを限られた骨に合わせて傾斜埋入せざるを得ない場合があります。 また、ザイゴマインプラントも骨量が著しく不足した症例に対応できる治療法ですが、症例によっては非常に特殊な角度や位置への埋入が必要となることがあります。

実際に当院には、他院で受けられたAll-on-4やザイゴマインプラント治療後に、不快症状や機能的な問題が生じたことでご相談に来られる患者様もいらっしゃいます。もちろんすべての症例に問題が起こるわけではありませんが、 骨の条件が厳しい状態で治療を行う場合には、より慎重な診断と治療計画が求められます。

当院では、「長く安心して噛み続けられること」を重視しています。そのため、単に骨造成を避けることを優先するのではなく、必要に応じて骨造成を行い、十分な骨量を確保したうえでインプラントを埋入することを推奨しています。治療時の負担だけでなく、その先の10年後、20年後まで見据えた治療計画をご提案いたします。

骨量問題でリカバリー治療を行った症例のレントゲン写真

他の医院にて骨量の問題で斜め頬骨までインプラントを埋入し、不調を感じ当院に来院いただいた症例。
現在もリカバリー治療とメンテナンスを行なっています。

即日固定のAll-on-4模型

④オールオン4は増骨を行わないため、手術当日に歯を入れる即日固定も可能ですが、即日固定には条件があります

手術当日に歯が入れられるケースもありますが、すべての方に適応できるわけではありません。
骨の質や量、インプラントの固定力、噛み合わせの状態これらの条件が揃わない場合は、治療リスクが大変高くなります。
強行したとしても、半年〜2年程度で不調をきたし、さらに治療が必要になる場合があります。

⑤ 清掃が難しくなることがあります。

固定式のため、取り外しができません。
清掃が不十分だと炎症の原因に、インプラント周囲炎のリスクが上がります。
日常のケアと定期的なメンテナンスが非常に重要です。

固定式インプラントの清掃イメージ
歯と費用のバランスを示すイメージ写真

⑥ 修理やメンテナンス費用、長期的には以下のような対応が必要になる場合があります。

被せ物の摩耗や破損・修理・再製作

オールオン4の場合、骨造成を想定していないため、不調をきたしやすいデメリットが内在しています。
長期的に見て安くて安全な治療はどの治療法か、考慮する必要があります。

⑦ 見た目(審美面)の制限

症例によっては、人工的な硬い歯肉(ピンク部分)を使用します。
素材がセラミックの場合が多く、自然な歯ぐきの再現に限界があり、唇の支えが不足するケースもあります。
歯茎部分が固く、話しにくい、硬い人工的な歯肉で清掃が難しいなどの難点もあります。

チタン製インプラントと歯肉のクローズアップ

All-on-4の長期的な経過について、インプラント手術自体の成功率は高いとされていますが、
ネジのゆるみ、被せ物のトラブル、清掃不良による炎症といった問題は一定数報告されています。
「インプラントは残るが、上部構造にトラブルが起こる」というケースも少なくありません。
現在の骨量や健康状況、経済的な観点、生活環境、こまめなメンテナンスの可否などをよくよく吟味することが
All-on-4を行うにあたり大切なポイントです。

All-on-4とAll-on-6の違い(比較)

All-on-4 All-on-6
支える
本数
All-on-4のインプラント配置

4本

All-on-6のインプラント配置

6本

力の分散 一点に集中しやすい 全体に分散
安定性 骨量などの条件に依存 支える本数が多い分安定
周囲への負荷 支点が少ない分全体への
負荷が大きくなりやすい
支点が多いため力が分散し
余裕が生まれる

本数が多いほど、長期的な安定性は高まります。

当院では、骨の状態、噛む力、年齢や生活背景などを総合的に判断し、治療法をご提案しています。
すべての方に同じ治療を行うのではなく、一人ひとりにとって最も安全で長持ちする設計を重視しています。

All-on-4のコンセプトとその背景

All-on-4 implant

All-on-4(オールオン4)は、ポルトガルの歯科医師であるパウロ・マロ氏によって提唱されたインプラント治療の一つの考え方です。
この治療法の特徴は、骨を増やす処置(骨造成)を前提とするのではなく、できる限り既存の骨を活かして治療を成立させるという点にあります。

これまでのインプラント治療では、骨の量が不足している場合、骨移植やサイナスリフトなどの外科処置を行い、インプラントを支えるための土台を整える必要がありました。そのため、治療期間が長くなり、患者様の身体的・経済的負担も大きくなる傾向があります。
一方、All-on-4では、比較的骨が残りやすい前歯部を中心にインプラントを配置し、さらに後方のインプラントを傾斜させて埋入することで、少ない本数でも全体を支えられるように設計されています。この考え方により、骨造成を行わずに治療を進められるケースが増え、治療期間の短縮や負担軽減につながるとされています。

ただし、この治療法は「骨造成を行わないこと」を前提とした設計であるため、すべての症例に最適とは限りません。
元来は西洋で考案された治療法のため、日本人の骨の厚みや特性はあまり考慮されていません。
西洋人よりも骨格が小さい日本人は、顎の骨にも同じことが言えます。そもそもの土台の強度が違うことも治療を行う上で無条件で進めることは難しいのです。支えるインプラントの本数が限られることで力の分散に制限が生じたり、患者様の骨の状態や噛む力によっては負担が集中しやすくなり、隣接するインプラントが不調をきたしてしまう場合もあります。

そのため、All-on-4はあくまで数ある選択肢の一つとして捉え、骨の状態や顎の形態、咬合力、そして将来的な安定性まで含めて総合的に判断することが重要です。

All-on-4・5・6のメリット

  • ■ 見た目が自然

    歯ぐきや歯の形を含めて設計するため、自然な歯並びと口元を再現することができます。

  • ■ 少ないインプラントで歯を支えられる

    オールオンXは、4〜6本程度のインプラントで片顎すべての歯を支える治療です。従来のインプラントよりも少ない本数で治療が可能です。

  • ■ 入れ歯よりもしっかり噛める

    インプラントで固定された歯になるため、入れ歯のように動くことが少なく、安定した噛み心地を得ることができます。

  • ■ 骨移植が不要な場合がある

    インプラントを斜めに埋入するなどの方法により、骨の量が少ない場合でも骨移植を行わずに治療できる可能性があります。

  • ■ 治療期間を短縮できる場合がある

    症例によっては、手術当日に仮歯を装着できるケースもあり、早い段階で歯を使うことができる場合があります。

All-on-4・5・6のデメリット

  • ■ メンテナンスが重要

    インプラントを長く維持するためには、定期的なメンテナンスと日常のケアが大切です。通常3ヶ月に一度の検診が保障対象の場合が多いですが、患者様のご負担も考慮のうえ、当院では3〜6ヶ月に一度のメンテナンスで保障対象とさせていただいております。

  • ■ 外科手術が必要

    インプラントを埋入するため、外科手術が必要であり、それに伴う感染症などのリスクがあります。

  • ■ 骨の状態によっては適応できない

    顎の骨の量や全身状態によっては、治療が長期間に及ぶ場合もあります。

  • ■ 自由診療のため費用がかかる

    オールオンXは保険適用外の治療となるため、費用が比較的高額になる場合があります。そのため、長期的に考え、どのような治療が必要なのかを考慮することがなにより大切なこととなります。

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